あこがれ（４/２８）

どうしても飲んでみたいものがある。



シシリアンキス！



これは、５、６年前に江國香織さんの
「神様のボート」を読んで以来、
思い焦がれている、のみもの。


小さい小さい頃は、
テレビとかで カクテルを見るたびに、



「ああ、大人になったら、
　あんなキレイな色ののみものを 　飲んでみたい。 　
　大人になったら・・・・」


と夢見ていたが、
いざ大人になったあたしは ほとんどビールしか飲まない。
特にここにいると、
カクテルはとっても、 とっても高い飲み物なので、
飲む機会もうんと少ない。

たまに、夫の友達の飲み会なんかに参加すると、 気をつかってもらって、
「何か甘い飲み物でも買ってこよっか？ 　何がいい？」
と聞かれたりする。
（みんな最初は、あたしがお酒を飲めない 　女の子だと思うみたい。）
図々しいと思いつつも、
「チャンス！！」と思って （でも少し勿体ぶって）
「シシリアンキス」と言う。

でもみんな、シシリアンキスを知らない。

「え？なに？？」と聞き返されたり、
パブの雑踏や雑音で会話がかき消されている間に
あたしの飲み物がないことに気付いた夫が

「はい、どうぞ」

と言ってビールを買ってきてくれる。

というのが、いつものパターン。
とほ。

こないだ、お義兄さんが、夜急に、
「一杯だけ飲みに行こう。外で飲みたい。」
と言い出して、三人で飲みに出かけた。
「何でもおごる」と言ってくれたので
「ついに！！」と思い、
シシリアンキスを探すも メニューにその名を見つけることは無かった。

ので、やっぱりビールを飲んだ。


昨日弟からメールが来た。
「昨日バーでシシリアンキスを飲みました。
　いつも飲みたがってるので、 　
　写真だけ送ってあげるね。」

うーー、飲んでみたい！