
Booチャンが居てくれた頃、
何となしにぐずぐず、ふにゃふにゃ、言い始める夕方頃に
よくコウタをお散歩デートに連れて行ってくれていた。
それ以来、夕方のお散歩はコウタの日課になって
午後のお昼寝が終わると、
「いつ散歩?いつ散歩?」と全身で訴えてくる。
最近、上着を着て靴をはいておでかけ、
というのを覚えたので
自ら上着を持ってくることも多い。
今日はようやく夕方雨が止んで、
コウタの散歩連れてけっ!リクエストにお応え。
とは言っても、サマータイムが終わって
冬みたいな天気のブルーマウンテン。
特にこの一週間は雨続きで
外は冷え冷えしている。
足をバタバタさせて喜びを表現するコウタには悪いけど、
今日は短い散歩になりそうと思いながら公園へ行くと
犬がいない。
家から歩いて行ける公園はドッグパークと呼ばれていて
犬がリードなしに自由に散歩できるトラックがある。
あたしの足では40分、夫は20分で一周する
そのコースの中央の一部には芝生があって、
そこでは、飼い主さんがボールやおもちゃを使って
犬を運動させたり遊ばせたりできるようになってある。
いつもはたいてい、トラックを歩いている間も
芝生のところを歩く間も
かわいい犬たちに出会う。
しばらくぶりの散歩で、犬に会えることを
信じて疑っていなかったコウタは
「わんわん?わんわん?わんわん?」
と必死で探し続けている。
トラックを歩いても芝生に戻っても
今日は犬に会わない。
ほっぺも冷たくなってきて
抱っこする腕もだるくなってきた。
風も冷たいし、熱でもぶり返したら大変!
こんな天気だし、犬には会えないかなと諦めて、
「コウタ、お家に帰ろうかね。
今日はワンワンおらんで残念やけど
また明日来ようね。」
と説得するも
「キャー!!!わんわん!わんわん!」
と号泣。
大粒の涙を見ながら胸が痛む。
「じゃあ、鳥さんは?」
と、トラックの奥にある池に鴨を見に行って
ごまかそうとしてみるが
「わんわん!わんわん!!!」
と怒りに体を震わせている。
そんな震えるほど怒らなくても・・・・・と
ちょっと面白くなって笑っていると
「わん!」
という叫び声とともに鼻を噛まれた。
本当に怒っていたのだろう。
あまりの痛さに涙が出た。
「いたいー!!」
と言いたいのに ひっ としか言えなかった。
呆然としていると、トラックから
二匹の救世主たちがやってきた!!
「あーーー来た来た!わんわんきたよ!!」
と喜び勇んでコウタに知らせるが、
その二匹のワンコたちは散歩を終えて帰るところだった。
その姿を見てしまったことで、
コウタのわんわん心にまた火がついて
泣き始めてしまう。
その後に会った犬も、トラックに入って
早々に走り去ってしまった。
コウタと顔見知りのワンコたちも
今日はだれもいなくて
結局憤慨するコウタを抱えて
家路に着く羽目に。
家に帰っておっぱいを飲むと
少し機嫌が治ったが・・・・・・
よそのお宅の犬の散歩事情までは
あたしは干渉できない。
明日から、犬に会わないとまた鼻を噛まれるかと思うと・・・
お散歩デートも恐ろしい。
